たまには本の紹介。
ちなみに著者はジャズサックス奏者で
クワマンのお父さんと一緒にバンドやってるが、それはまた別のお話。
1945年の東京。空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。18年後の今日、ここに来てほしい、というのだ。そして約束の日、約束の場所で彼が目にした不思議な機械――それは「先生」が密かに開発したタイムマシンだった。時を超え「昭和」の東京を旅する浜田が見たものは? 失われた風景が鮮やかに甦る、早世の天才が遺したタイムトラベル小説の金字塔。
タイムトラベル小説の名著であるのは知っていたが、なかなか機会がなく読めずにいた。ようやく読了。
タイムトラベルによるドタバタはもちろんですが、主人公がタイムスリップする昭和7年の東京の描写が素晴らしい。
私は東京に縁がなく、ほとんど街を歩いたことはありません。それでも戦後の読者から戦前の東京を想像させる描写です。
主人公が世話になる大工の棟梁「カシラ」が、見事な江戸っ子ぶりでこんなおっさんもいたんだろうなと思います。
前半は上記の描写を楽しみながらゆっくり読み進めましたが、後半はタイムトラベルものの風物詩というべく、それまでのあれこれが繋がっていく快感で一気に読んでしまいました。
少し時間をおいて、再読したいと思います。
次もタイムトラベル小説を読もうと一冊待機中。